第5章 飛躍、挑戦、そして新たな不安「雪月花によせて・火の鳥」

1998年2月16日

1998年2月16日

 観梅、終わりました。
ここんところ、私の音が更に変化しているのを自覚しています。
他人の音を聴いていて、よくわかったというか、いいもんと良くないもんの区別が自分の内側から沸きあがってきたんですよ。
弾きながら、「語っている」自分を発見。
今、私は上手くなった、と思えたのです。
その気持ちを持って観梅。誰がなにをしようと平気なんです。竹が走ろうと、誰かがシケようと、まとめられるんです。人の音もちゃんと聴けるようになっていました。相手も応えようとしてくれているのがわかるんです。
だから、どんなどんでん返しがきても楽しかった。

1998年1月20日

1998年1月20日

今年に入って、8日、12日、15日と大雪。
自然現象なんだけど、なにか意味ありそうな気がしています。

太地喜和子についての本を読んだ。
ロミオとジュリエットの芝居の話が印象に残った。
ジュリエットがバルコニーでロミオのモンタギューという名を恨み嘆き悲しむという見せ場で、そのせりふを一気にウィスパー(息声だけの囁き)で通したという。客はその瞬間、彼女に呑まれてしまったと。
また、歌手の小野リサが、「ボサノバの最も難しく、しかも本来のスタイルは、歌い上げないこと」だという。小さな声で囁くように。
そこに、中根先生の言葉が重なる。
どんなに小さな音でも芯のある音は会場の奥まで響く。
なにかを越えた人達でなければ出てこない言葉だと思う。
それをやるときは、全身全霊の力が必要だということもわかる。

1998年1月9日

1998年1月9日

 年明けです。元旦は横須賀で仕事。
矢部、橋沢両氏を交えてのステージです。
プログラム的に今までとはかなり変えたが、ちょっとまだ盛り上がりに欠けるというか、編成的にも地味になった気がする。しっとりもいいけど、「すんごい」というのも入れる方がいいのかも。
何度もテープ聴いているが、テーマ満載。

1997年12月24日

1997年12月24日

17絃を買うことにしました。
のぼるさんのところに頼んでいます。
この先、やる機会がどれだけあるかわからないけど、とにかくやって見たい。
1月1日の仕事で、とりあえず簡単なものをやることになってて、今女史のを借りている。めちゃめちゃ疲れるけど、あの重低音はいい。

1997年12月1日

1997年12月1日

台北、終わりました。
どこの会場でもやはり緊張することに変わりなく。
あんまし書きたくないです。