演奏会

茅ヶ崎市民文化祭

11月1日、茅ヶ崎市民文化会館にて、演奏に参加してきました。

錦秋の会でご一緒した尺八の鈴木進さんが会員で、助っ人を頼まれたので。

会場は1200人入ると言う大ホールです。
とてもびっくりしたのが、楽屋の部屋数です。とにかく多い。各社中それぞれに部屋が持てるので、練習もできるし、ばたばたしなくて済みます。
そして、それよりもっとびっくりなのが、舞台の袖の広さ。
ここが舞台じゃないんですか?と言うほど広い。
わが人生で見た袖としては最大。

舞台進行は池上眞吾先生の父上の實(まこと)氏。
あらかじめ進行表と舞台配置図が、各社中に配られました。(實先生作です)
本番中はそれこそ舞台袖で一切合財指示してくださるのです。
舞台監督がすぐそばにいてくれるのは、こんなにも安心なんだと実感しました。

曲は「時鳥の曲」。筝2面に、尺八5人。音量のバランスがとても不安だったのですが、マイク無しということになっていました。
でも出番の直前、ホールスタッフが私のところに来て、マイクの手配をしましょうかと言ってくれて。
「バランスが悪かったらオンにしてもらえますか?」と聞くと、「そうしましょう」と。
本当にありがたかった。初めての会場だし、音響わかんないし。
会場のシステムとか、まったくわからないけど、ホール側からそんな申し入れをしてくれるなんて、感激です。
相方は佐藤光代さんでしたので、演奏についての不安はなかったけど、音量のバランスだけが気になっていましたから、本当に助かりました。

いろんな事にびっくりぽんの世界でした。

終了後、眞吾先生から演奏のご助言までいただき、感謝感激な一日でした。

澤村祐司さんの初リサイタル

10月10日は、澤村君の初リサイタルでした。
紀尾井小ホールです。

私は楽屋のお世話係りをおおせつかっていたので、他のスタッフと3日前に打ち合わせ。
紀尾井の楽屋は当日初めて入りましたが、とにかくきれい。そして広い。
びっくりでした。

満席の大盛況、大成功でしたが、受付廻りは大変だったろうと思います。
外部のあわただしさが楽屋に響かないよう、緊張しました。
良い経験です。

裏方なので、演奏についての感想が書けず残念ですが、ともかく成功おめでとう!でした。

地歌三味線の聴き比べ、そして錦秋の会

また随分怠けています。

9月12日の地歌三味線の聴き比べ・・・・・・からですね。
行ってきました。「男で地歌」の拡大版、詳細版でした。
お客様もプロの演奏家がたくさんいたようです。
なま野川美穂子さんが見られたのはうれしかったな。

三味線の音の違いについては、「男で地歌」の時のほうが感動的に伝わった気がします。
私としては、「早舟」を聴くのが一番楽しみでした。

岡村慎太郎さんの演奏、やはり圧巻です。歌も三味線も。また感動しました。

翌日は、錦秋の会。
時鳥の曲は、そこそこの出来となったとは思いますが、!!!またしても個人的に事件です。
「おもいのたけ」!。
プログラム2番。舞台に座ったら!!!。ライトが届いていない。
譜面が見えません。譜面台の角度を直してみたのですが、やはり見えないものは見えないのです。・・・・・記憶と勘だけが頼りです。・・・・良いわけがない。
あんまり思い出したくない・・・・。

地歌三味線の変遷と聴き比べ

9月12日に紀尾井小ホールにて、地歌三味線の変遷と「柳川、野川、九州系の三味線の聴き比べ」をテーマにした演奏会があります。
邦楽ジャーナル主催です。

2013年11月17日のこのブログ上で、「男で地唄」の紹介をしました。
その折、プログラムの中で、明治時代の三本の三味線について長谷川慎さんの解説とともに「聴き比べ」という体験をしました。
その変遷に驚き、音色に感動したことを鮮明に覚えています。

20150912地歌三味線の響きチラシ

地歌三味線の響き

その時の拡大版の演奏会かなぁと、期待も膨らむところです。

そんな中、先日宮城会関東支部の演奏会の帰り、邦楽ジャーナルの織田さんとばったり。
ちょっとお話をうかがうことが出来ました。
演奏会の企画が織田さんなので、熱心にお話してくださいました。
大きな会場ならではの仕掛けも企画されているようで、ますます興味を惹く内容のようです。
たくさんの方に、驚いて、感動してもらいたいと思います。

若手三人組のライブ 於塩山

7月29日、田嶋謙一さん、澤村祐司さん、日吉章吾さんの三人による「古典の真髄への挑戦」と題した5箇所連続公演最終日として、山梨の塩山にて演奏会がありました。
長崎、福岡、山口、大阪は遠くて無理だったけど、最終日の山梨なら行けない距離じゃないね、と夫が言い出し、急遽聴きに行くことに。

会は夜なので、石和に宿をとり、半分は夏休み旅行も兼ねて。
まずはおいしいハム屋さんで昼食を食べ、ドイツビールを1杯あおり、途中、個性的なカフェに立ち寄り、コクのあるうまいコーヒーを飲み、宿に入って温泉に浸かり、夕食は塩山駅前の小さな食堂で馬刺しと馬のモツ煮の定食をいただき、サービスで山梨の桃までついて、と、まるで旅の完結に近い状態。でも、演奏会はこれから・・・・。

会場は、塩山にある旧高野家住宅、別名甘草屋敷(江戸時代に幕府に薬種として甘草を上納していたためついた別名)といわれている巨大な民家。

演奏された曲は、尾上の松、鶴の巣籠、虚空、千鳥、八重衣の5曲。

暑い夜でした。演奏者は本当に過酷を極めたと思います。なんせ、抜粋はしませんから、それぞれの演奏時間はとてつもなく長いわけで。しかもクーラーなんぞない中で、かれらは和服です。正しい姿ではあるけれど、辛くないわけはありません。

がんばりました。熱い、熱い演奏でした。
三人とも真に一生懸命だったと思います。

尺八は、全身全霊で呼吸をし、それをいかに丁寧に音にするものなのかを改めて見せ付けられた気がします。
お筝もあれだけの大曲になると、手の動きの細かさ、速さが尋常な状態ではありません。
お筝の幅は30センチ足らずですが、じっと見ていると、あまりにも手の動きが速くて、お筝が宇宙的に大きく感じてしまいます。
三弦に至っては、演奏者が汗だくな分、楽器も汗をかいているのだと思います。何度さわっても、ねじがいうことをきかなかったそうです。
そのうえ二人とも唄も歌っている訳で、こちらも全身全霊をかけての演奏。
真摯な演奏でした。

演奏そのものがどうだとか、冷静な感覚ではなく、瞬間瞬間の三人の思いや心情に呑みこまれ、演者と同じ感覚にさせられていく。場が一体化していくんですね。
いわゆる臨場感です。こちらの気持ちも絞り込まれていきます。演者と同じように揺れ、流れ、歌い、泣く。究極の一体感です。

それぞれ、演奏すればするほど更に高い目標を持つのだろうと思いますが、山梨の暑い夜、「今」の、「今日」の三人の熱い思いに圧倒されて、興奮で夜中になっても眠れませんでした。