演奏会

おさらい会に向けて

昨年は7月で止まってます。
予定表を見たら、整体に通ってますね。
左手の激痛でした。掛け押しができなくて。
秋に茅ヶ崎三曲会で17絃をひくことになっていてそこに出てくる掛け押しが出来ないんです。
結局その部分は亜佐佳さんのソロになったのですが・・・・。

そうこうするうち、おさらい会の個人曲を決めなければならず。
これはいつも悩みます。
お稽古していると、いつもその曲が大好きになってしまい、「何を」と言われると全く選べないんですね。
先生に候補を挙げていただくのですが、最終的に「さらし風手事」に決めました。
この曲は昨年候補に挙げて頂いたのですが、とてもとても弾く自信もなく、同時に候補に挙がった「奈良の四季」のほうが今の自分に合ってるように思ったので、そちらを選びました。

今回は、なんだか挑戦してみたくなって「さらし」を、と。

いつまでたってもできません。悲しいぐらいできないです。

でも。でもなんですが、ちょっとづつ手が回り始めました。
夢中になって、大汗をかいて練習していると、「あれ?ここ弾けてる」という現象がそれこそちょっとづつ増えて行ってます。
お稽古にいくたびに大量の注意を受けるのですが、それでも本当にすこしづつですが手が動くようになっています。
唄がないのですから、その分楽なはずですが、そんな単純なものでもなく。
音色、リズム、スピード全部を自分なりにでも自在にしたいとおもってはいるのですが。

当分生みの苦しみは続きます。

でも、演奏する日は決まっているのです。

怖いなぁ。

 

茅ヶ崎三曲会を終えて

11月12日は茅ヶ崎市で演奏会。

宮城道雄の「舞踏曲」のⅢ筝と、池上眞吾作曲の「すずかけ短夜~星空に咲く一輪花~」の17絃をさせていただきました。

どちらも初めての曲です。

舞踏曲は、Ⅰ筝のオクターブ下という調弦で、それでなくても低いのに、五とか七の連続の押し手という個所があり、しかも掛け押し禁止。プラス、三の押しや、更に一か所ですが、二の押しがあるのです。

こけそうな距離感(;;)

その部分は暗譜必須でした。
でも、合同練習中、他のパートを見ると、どのパートも簡単なわけではなく。みんなすごいな~って。

オープニングの曲だったので、無事終えて若干ほっとしてほかの曲を聴いたりして。

私の参加した2曲目は「すずかけ短夜」。
17絃は4人。ただ会場の関係で舞台が少々小さめで、キツキツ。
そんな中、いよいよ始まりました。

8小節くらいいったところで気が付いた!!!!!!!!

ガビ~ン!!!!

事件です。あ~~~~~~~~。

ワタシ、腕時計………つけたまま・・・・・・・・・・・。

気づかなければよかったんです。気づいても、気にしなければよかったんです。

だけど。うろたえてしまいました。衣装は白なのに、時計のベルトは柄物だし。外したい。外せない。チャンスはどこにある?

結局各パートソロのカデンツァで外しましたが、あとでビデオ見ても、全く見えていなく。舞台がキツキツなので、私がいることすら客席からはよくみえてもおらず…チャンチャン。

笑えます。自意識ってどこに持てばいいんでしょう。
テーマの残る演奏会とはなりました。ハンセイシテマス。

 

 

 

 

 

 

過酷なお稽古は続いています

今年に入って(2017年)、おさらい会の演奏曲を決めねばならず、とても自信もなく・・。
結局先生に選んでいただきました。
「深夜の月」という古典曲。唄もの。
それだって相当躊躇しましたが、6月のおさらい会まで、この曲一本で行っていいという条件がついたので、チャレンジです。

まずは、後出しじゃんけんみたいな唄のつけ方でちんぷんかんぷん。
掛け押しのオンパレードで四苦八苦。
歌詞の、揺れる女性の心理であたふた。

何度もへこみました。
「違う」と注意されても、自分がなにをやってしまっているか、よくわからない。
どうすればよくなるのかみえない。

飽きてはこないんです。わからないから。

でも、なんかちがう。

本番まであと半月もないころ、お稽古の録音を聞いていて、はたと気づくものがありました。
いつも録音を聞いて練習しているのですが、その時私は「先生の音」しか聞いていなかったんです。
キャッって感じ。
馬鹿ですね。自分の音聞いていないんです。先生の音を聞いてまねっこしようとしているのですが、「自分」は「その時」どう弾いて、どう唄ってるか。それを聞いていない。
自分にびっくりしました。

それに気づいたら、ひどいんです私の演奏。見えました。やっと。

最後のお稽古で、先生から「だいぶ仕上がってきましたね」と。

いや、時間かかりました。驚きます。

そんなこんなでついに本番です。
合同曲では「うてや鼓」の17絃担当。

個人曲は演奏前に解説をいれてくれるのですが、私の曲の解説をしてくれているのが、なんと「藤原道山」!! 「へ?」と思いつつお筝の前まで行ったのですが、「へ?」がだんだん大きくなって「え~?」となり、「え”~!?」になって、そのころにはもう胸がドキドキしてしまって。
道山さんが、池上社中にかかわっていることはわかっていたのに。会場にいることもわかっていたのに。もう体震え始めて・・・・
演奏を始めた瞬間、声が、声が・・・。震えています。まずい!と思うのですが、震えは止まらず。前半は唄の音程キープに必死。糸間違いしないよう心の中では目が吊り上がっていました。
手事に入ったころ、少し落ち着き始め、後唄では声量もだいぶ戻せたかな。
初めての環境とは言え、あんなにあがっちゃうもんですかね(;;)
演奏会終了後の反省会。
これが、1曲づつゲストの尺八の先生方や、眞吾先生、實先生から講評をいただくという世にも恐ろしい反省会なのであります。
とりあえず、實先生から「古典の唄いまわしが出来ていた。上の演奏」とお褒めの言葉。
励みになります。「次」へつなげられますように。

おうちライブ Vol.7

さる2月28日、田嶋謙一さんによるおうちライブを行いました。
今回は邦楽ジャーナルのほかフェイスブックでもご案内したのでこちらでのご紹介をちょっと忘れてしまいました。

賛助出演は日吉章吾さん。
プログラムは、現代邦楽5曲。
萌春 瑞星 詩曲Ⅰ番 夏色のアダージョ 上弦の曲

当初の目論見をはるかに越え、30人のお客様。・・・20人予定でセッティングしていたため、家の中はビッシリです。
当日飛び込みのお客様も結構いらして、あわてました。

午後2時半演奏開始。
お箏も尺八も「本物」だなと思わされます。
厚く、熱く。息を呑みます。
日吉さんは、曲の佳境に入ると、一切のものを近づけないオーラを全身から放出します。その張り詰めた空気に圧倒されるばかりです。
勿論その時は田嶋さんも同じ状況にはいっているわけで、ものすごい速度で吹いているのです。
その迫力に聴いている側は酸素を奪われそうになります。
どの曲もゆったりと静かな部分もあるのですが、同じくどの曲も激しく盛り上がっていくわけですから、そりゃ聴くほうも背筋がのびます。

例によって、田嶋さんの軽快なトークも入り、随所で笑わせてくれながら、素晴らしい雰囲気の中進行していきました。
アンコールでは、とびきりのネタで、会場は大爆笑でした。

パーティーもおおいに盛り上がり、楽しい一日になりました。
出演者、お客様両方に感謝です。

邦楽四重奏団プレイズ

昨日(1月22日)、すみだトリフォニーホールに、邦楽四重奏団のコンサートを聴きに行ってきました。
洋楽器とのコラボで、下山一二三さんという作曲家の作品の演奏。
邦楽四重奏団の演奏する曲は、私ににとって、かなりハードルの高いプログラムばかりですが、今回は洋楽器とのコラボだったので、また毛色が違って聴く耳も変わるかなと思って。
演奏前にプレトークの時間があるというので、早めに現地到着。

企画の山本和智さんと下山一二三さんによるトークでした。
下山さんと言う人を存じ上げなかったのですが、青森県弘前市のお生まれだということに興味をそそられました。
作曲活動中、能の勉強をされたり、大鼓のレッスンに通われたりと、邦楽にも造詣が深い方でした。
鼓も先生にプロにならないかと誘われたほどの腕前らしいのですが、「邦楽」という枠にはまることを敬遠し、作曲活動に戻られたとか。
とても魅力的な方でした。1930年生まれ。現在86歳。かくしゃくとしていらっしゃいました。

20分後、演奏開始。
・・・・・やはり難解・・・・
ちょっと困った・・・・・

プログラム4曲目に「レクイエム津軽」と言う曲があり、尺八、バリトン、チェロ、津軽三味線のコラボとあったので、ひとまずそこに目標を置いて。
2曲目、3曲目とレベルの高い曲が続きました。
そして、いよいよ4曲目「レクイエム津軽」。

下山氏自身の作詞でもあるので、一部ここに書いてみます。

雪。雪。雪。雪。 (ユギユギユギユギ)
ぼだらぼだらと降ってくる雪。(ぼだらぼだらとふってくるユギ)
のそのそと降る雪。(のそのそとふるユギ)
夜でも日中でも降ってくる雪。(バゲでもシルマでもふってくるユギ)
地蔵様の頭コも(ジンジョサマのアダマコも)

天守閣もやまも川も。(てんしゅかぐもやまもかわも)
雪。雪。雪。(ユギユギユギ)
俺の額さも雪ァ降る。(ワイのナヅキさもユギァふる)
雪の花コ。花コの雪コ。(ユギのはなコ はなコのユギコ)
雪。雪。雪。雪。(ユギユギユギユギ)

弘前サ生まれで、弘前で生長テ。(シロサギサマレデ シロサギでオガッテ)
今ァ 東京ネ居る津軽衆一人。(いまぁとうきょうニァいるツガルシュヒドリ)
寒ぐて、凍れるバテ、(サビぐて シバレルバテ) 
きれいだ津軽の(きれいだつがるの)
雪コ。(ユギコ)
思い出しているノセ。(おもいだしているノセ)

後略

()内は発音です。津軽弁です。
これを朗々と深いバリトンで謳いあげる。
「ゆき」ではないんです。「ゆぎ」でなければ、北国の雪ではないんです。
全編津軽弁。方言のもっている魅力というのか、魔力というのか。私自身北国生まれだから感じるのか。特別な響きです。
いつしか、あのふるさとのしんしんと降り積もる雪の中に埋もれている自分がいました。

プレトークのなかで、山本和智さんが、こんなこともおっしゃってました。
「メルヘン」と言う言葉について。(うろ覚えなので、正確ではないかもしれませんが)
メルヘンというのはドイツ語だそうで。
この「メルヘン」という言葉は、どの国の言葉にも翻訳できないというお話。
ドイツにある、ある深い(であろう)森の中に独りたたずんだ時、恐怖のあまりふと頭の中に浮かんだ光景のみを「メルヘン」といえるのだというのです。
そこでしか、その場所でしか味わえない事象。感覚。
代替はないのです。
「ゆぎ」とおんなじです。

声とことばと尺八とチェロと津軽三味線と。気づかないうちに「コラボ」として、私の中で一体化してたと思います。

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