1998年5月14日 邦楽ジャーナル宗氏による「伝承ということ」より。

1998年5月14日

邦楽ジャーナル宗氏による「伝承ということ」より。

西洋音楽では、その曲は作曲者の財産となる。
日本及び東洋の音楽は、作曲家が演奏家を兼ねている事が殆どだったため、作曲者自身の演奏が伝承されていく。そのため作曲者以降の世代においては演奏(伝承)の創始者という認識になる。
地唄筝曲は一人芸であるから、伝承の解釈がずれれば、それぞれ「私が正しい」という意識に繋がる。
西洋音楽は演奏家の感性のみに基づく恣意的(思いつき、気まま)な解釈は異端とされる。

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 西洋音楽の楽譜・・・・・作曲者が自分のイメージを固定したもの
 日本音楽の楽譜・・・・・作曲者が作った原型が伝承していくにつれて変形したものを、後になって固定したもの
   明治時代ぐらいまでは派のなかでも各々の節回しが許容されていたが、大正時代頃から統率者(家元)の権威を増す目的と合奏の際の規範とするために統一する方向へ進む
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