1997年5月19日

1997年5月19日

合宿が終わりました。 
その合宿の中で
自分を否定したくなるくらい落ち込んでいます。
女史の演奏を聞いているうちに、頭の中が空っぽになり始めた。突然目も耳も手も真っ白になって。譜面は見えなくなるし、手は空回りしているし、女史の音まで拒絶して受け入れられなくなってしまった。
何の曲をやっても全く弾けない。弾けてたものまで弾けない。
そんな間に女史が一人の曲を弾くと、もうこっちは絶望的な気持ちになって。あとは地獄のよう。
矢部氏と一緒にやると、なおさら追い込まれて。
何が自分に起きたのか、まだ整理つかないでいる。
誰の音にも呼応することが出来ず、リズムも全く取れず、強弱も判らなくなり、糸すら見えなくなって、自分さえも見失った。
今までは少しづつ空っぽにしては埋め込んで、少しづつ違う色にして行ってたけど、この三日間は一気に完璧に空っぽになってしまった。
音の世界に容易に入って行けなくなってしまった。
橋澤氏は、行くのを一番渋ってたけど、何かが生まれた。
私と矢部氏は逆になにもかも捨てさせられた。
早いとこ跳ね上がらなくては。