薄れていく 壁、山、嵐Vol.4

ある晩、利根君の夢を見ました。

自宅で一人練習をしている利根君。それをじっと見ている私。
利根君、途中でつっかえました。
すると、利根君いきなり大笑い!

本当に大きな声で「アハハ、アハハ」と楽しそうに笑って、そしてまた楽しそうに練習を始めたんです。

見ている私はショックを受けているという夢。

目が覚めても今見た光景が頭から離れませんでした。
私、お筝を心の底から楽しもうとしなくなっていたんじゃないかなぁ。
練習で間違えると、絶望的な気持ちになってしまう。
夢の中の利根君は、完璧に「前」を見ていた。
「次」だけを見つめていた。
「後ろ」や「過去」を見てなかった。
明るい気持ちになれる気がしました。

実は、昨年私が落ち込み始めたときから、利根君はずっと励ましてくれていました。この筝日記もよく読んでくれていて、ときどきその内容を引用してからかわれたりしていました。
暮れには何かのついでに私の名前入りの月謝袋が送られてきました。「ジョークですが」とメモ書きが添えられていたけど、発奮させようとしていてくれていたのは間違いないわけで。

お正月にも挨拶メールが来て、「春から出稽古に行きますから心のご準備を!」って。

それでもそのときの私は「うッ」ってしか応えられなくて・・・・・。

でも仕方ないかな。時間っていうか、タイミングっていうか、条件がきれいにそろわないと波長は一致しないものなんですね。

やっと今・・・2011年6月・・・心が動き始めた気がするんです。