利根君との思い出

今、おうちライブの録音を聴いていました。
いろんなことを思い出します。

利根君が17絃、私がお筝、尺八謙一君でやった
菊重精峰の「夕映えの街~出会い~」。

いろいろ工夫しました。
曲、中ほどからジャズテイストになるのですが、本当はないんだけど、途中、尺八のアドリブを入れてもらったり、一部お筝から始めて同じフレーズを回数多く繰り返したり。
今聴くと、相当かっこいい。息ぴったりのすがすがしさ。聴いてて楽しい。

でも、あの当時、プロとの壁の厚さに心底落ち込んで。
私だけが無駄に熱くなっちゃってるんじゃないか・・・とか、「この部分変更したいんだけど」と言っても、利根君は「そやなぁ」とか「へぇ、わかった」とか言ってくれるんだけど、本当に納得してくれてんのか不安だったり。
糸同士の掛け合いも、練習の都度17絃の表現が変わってしまうのでそのたび探るんだけど、わからないまま本番。やはり練習とは違う表現をしてくる。「うわぁ、私の対応は今いけてんのかなぁ」って、パニック。

あれから3年。今聴いて、めちゃくちゃがんばったことがポロポロ頭に浮かんできます。

利根君の「へぇ、わかった」は本当にわかってくれてたし、掛け合いはお互いがなににも束縛されることなく繋がっていました。

良い演奏だったと思います。今なら。
なつかしく、少しせつなく。

あの時、何も言ってくれなかったけど、もし利根君が私に伝えたいことがあったとしたら、どんな言葉だったのかなぁと思います。

今急にこんなこと書いて・・・とは思うけど、なんか、「今」な気がします。
静かに涙が出ました。