1997年9月4日

1997年9月4日

雪月花、イメージできてきました。確かに全部の曲にこれをやってたら、女史の言うように魂削られますけど。

とりあえず。
 一筝(特にソロ)が花。
 二筝は雪。
  17絃が風。
 尺八は月。

おだやかな風に乗って粉雪が少しづつ舞い降りてくる。その雪は花に焦がれて一緒に舞い狂おうとしている。花は何も知らない。風は雪に押されるかのようにその力を増していってしまう。
 全てを見ているのは月。
 月は花に教えようとする。「それは雪だ。おまえ自身ではないのだよ」
 だが風の音にかき消されて、その声は花には届かない。
 遂に花は雪に騙され、自ら舞い散って行く。
 やがて騙されたことに気づいた花は嘆き、泣き叫ぶが、もう誰も止めることは出来ない。

 しかし、花も雪も風も月も、それが、どうすることも出来ない自然の摂理であることに気づいている。
 抗うことの出来ないそれぞれの性であることを知っている。
 それぞれが自分の罪の深さを嘆き、哀しんでいる。

1997年9月3日

1997年9月3日

もう9月です。ぢきにアタシも45。!?

雪月花、本日やっとちょっとだけど手ごたえあり。です。一ヶ月半ぐらいかかりましたか。
CDとは何度も合わせてたけど、一箇所どうしてもズレるところがあって、よくわからなかった。
ただひたすら疲れて、つなぎ目もぐしゃぐしゃだったけど、今日なんでズレるかわかった。一音づつ足りなく弾いていたのだ。そこがわかった途端、急に弾くのが楽になって、譜面も先を見られるようになった。
なんでなんだろう。おできが取れたら急に他まで元気に、というかその一つのおできのせいで全部がグズグズになってた気がする。不思議だ。
つい昨日まで嫌になっていたのに。

田嶋先生のおことば
****一曲の中で一音でもいい音が出せたらそれでいいんです。他は気にすることはありません****

1997年10月2日

1997年10月2日

 ただいま風邪をひいております。
夜中は咳き込んで眠れず、関節が全部痛い。
今日で4日目になるけど、ふと気が付いたら、頭の中に雪月花が回っていない。止まってしまっています。
体中の筋肉も完璧に力がなくなっています。掃除機も引っ張れない。久しぶりに大きな風邪です。細かいことが考えられない。
この3~4年そういえば大きな風邪を引いていません。
なんかチャンスかなと思っています。
肉体が元気でなければ本当に音楽なんて演奏できないなと思うけど、こんなに長い時間音から離れられる。頭を空っぽにすることが出来るんですね。
今の私には、ちょっと必要な空間かなと思うのです。
元気なときは、やれるのにやりたくないと思ったりして。
今は、やりたくてもできない。心が疲れたときもやっぱり弾けないんだろうな。
風邪とともに余分なものが全部抜けていったらいいなと思うのです。
なにか生まれたらいいな。・・・・・・完全に音が止まっています。

1997年8月29日

1997年8月29日

楽器屋さんの「のぼる」さんに来てもらって糸の張替えをしてもらった。彼自身三絃をなさるようで、ステージの作り方から、選曲から、よくわかっている。話してて面白い。

1997年8月26日

1997年8月26日

昨日、八の糸が切れました。金曜日まで練習できません。
困りました。一面しか持っていない宿命です。

CDを聴きなおしています。プロの演奏な訳だから、そうなんだろうけど全般的にさらさら移動している感じもあるが、やはり息がつけないという感覚は抜けない。
田嶋先生がどういうコンセプトで曲を作るかわかんないのと、私自身まだこなれていないので、どういうことになっていくのか不安がある。

ここのところ、ときどき自分の音がきつく感じることがあった。なにかに怒っているとき自分の音が鋭くなっているようで嫌だった。
私は「怒り」で自分を表現することもできないし、「攻撃」で相手に近づくことはできない。
愛というと大げさだけれど、やっぱり人と人の和がなければいいものは作れないと思う。