1996年9月27日

1996年9月27日

宮田耕八朗氏の曲を聴いている。
この人の曲は大人を感じさせるが、どんな曲も弾けそうな気がしてくる。しかし、美しく、かつ人に聴かせようと思ったら、どの曲も無理だなって思うのです。しかしまあ、この人の曲はどうしてこうも難しいんでしょうね。筝にしろ、尺八にしろ、手が回るもんじゃない気がします。

次は吉崎氏の「かごめ」・・・・・・ちょっと私には無理じゃないですか。

1996年9月20日

1996年9月20日

「弾き手がちょうどいいと思うときは、必ず音が短い。ちょっとしつこいかなと思うぐらいが聴き手に快い間合いになる。一つの音が消えるまで次の音は待ちなさい」とはプロの田嶋先生の言葉。
これは、「じょんがら変奏」をやってたとき、痛感した。
あっちこっちで、「これだ!」ってひそかに感じてるんだけど、自信が持てないために度胸がなく、それを音に反映できないでいるんですよ。「私が弾くんだから、お聴き!」ぐらいに思えって女史は言うんだけど、私としてはかなり気弱です。

 自分を信じなくちゃ。心で歌わなくちゃ。

1996年9月13日

1996年9月13日

先日女史とお茶しました。
水野利彦氏の講習会の話をしたら、女史やっぱ知ってて、しかも宮田耕八朗氏の講習会を受けたことがあるんだって。高校生のときで、師匠に言われて仕方なく行ったって言うんだけど、芸事に関してまるっきり育ちが違うんですよね。私なんて、そういう講習会があることすら知らないで来たし、知ったとしても田舎のこと。雲の上の話で、そんなとこに掛けるお金も無かっただろう。・・・・・・なんか寂しい筝人生送ちゃったなって感じ。
今、どうあがいても仕方ないのかな。
やっぱりさ、何か始めたら認められたいものね。「歳」を考えてしまいます。救われないなって。

無駄な野心かな。多分そうだな。・・・・・・悲しくなってきちゃった。

知らなきゃよかったこともあるね。知らなきゃ持たなかった欲。自分をどう静めていったらいいんでしょうか。練習しているときは楽しいけど。

「海の青さに」は、10日で暗譜。一ヶ月半でテープのスピードまで上げたけど、そのスピードコントロールが出来ないのは、自分のものになっていないからだと女史に言われました。

アメリカの大リーグに移籍した野茂選手が、登板するようになって一年ぐらい経った頃から、打たれると客席からブーイングの嵐が起き始めた。今まではお客様だった。だけど、「負けは許されない立場」に立ったということは、やっとメジャー入りを認められたんだと思ったというのです。わかります、とても。「きれいに弾けたわね」なんて、「あなたにしては」ってのが前にあるんですよ。「あの人のあの曲は好きじゃないわ」ぐらい言われて、初めて存在を認められたことになるんじゃないかと。勿論バッシングだけが命じゃないけど、バッシングしたくなるほど気にされるようじゃなきゃ、価値がない。というか存在すら認められないというか。ただ、バッシングに太刀打ちできるようじゃなきゃどうしようもないんだから、そこには腕と自信が必要なんだけど。

1996年9月5日

1996年9月5日

昨日は塚山。
いやいや、嬉しい嬉しい。まず、やはり「海の青さに」からですが、嶋田さんと高本さんの尺八でやったら、ちょうど落としたスピードぐらいで合わせられたんですよ。勿論細かいところは雑だし、尺八の人は「ちょっとCは、速いね」とつぶやいてはいましたけど、だけど一応のれる速度で弾かせてもらえたんです。ここまで来れば、あとは回数こなすことで煮詰めて行けますからね。ウキャー!

それと、前半の一番細かいところは尺八入りにくかったみたいですけど、全体的にはまとまったんですね。嶋田さんはすごいです。きっちりやってくれる。嬉しいです。しかもです。「子供のためのラプソディー」イケたんですよ。これは厳しいかなって半分思ってたんですけど、嶋田さん見事につけてくれるんです。

さっき練習してて思ったんだけど。
音にビブラートをつけるとき、弾くのと同時ぐらいにつけると、音が明るくなります。少し遅れ気味につけると悲しげに聴こえるんです。今ごろ・・・・・・とは思うけど、音の変化に理由付けが出来た感じがしています。イロハから教わることができませんから、仕方ないです。どんなに幼稚なことでも、自分で発見していきたい。がんばろう。

1996年9月4日

1996年9月4日

8月21日は塚山で練習でしたが、「海の青さに」は尺八とテンポが合わせられず、上手くいきませんでした。むしろスピードを落としてくれと、ゲストの尺八の人に。結局まだ自分のものになっていないから、スピードのコントロールが出来ないんですよ。今必死でスピードを落とす練習をしています。
以前演奏したときのテープをまた聴いています。
自分が下手だということだけは、よくわかるのです。一音、一音が生きていないんです。
しかし、どうやったら音が立ち上がり、生きてくるのかわからない。
それぞれの曲で、ここは音が小さすぎるとか、テンポが詰まってるとかはわかるんです。しかし、演奏中にそれが客席にどう聴こえてるのか掴めないんです。譜を見ただけでは曲が聴こえてこない。
やってみたいことは、すごく沢山あるんだけど、とにかくまだまだレベルが低すぎて、どうしようもないです。
合奏の難しさというのも感じます。二人なら二人、三人なら三人の「呼吸」を合わせる難しさ。
勉強のし直しというか、演奏の修行をしたいです。幅広い曲で。自己満足で終わりたくないんです。飛躍したいな。「食べたい時」が「美味い」時で、「やりたい時」が「やるべき時」だと思ってる。
テープ聴いてて、17絃がベースとして、あるいはメロディーとして入っていると安心感がある。それと、私の音は、どうもフラット気味のようである。強弱の差がないということもわかる。
インターネットで邦楽フォーラムを覗いてみたら、水野利彦氏や吉崎克彦氏が三日間の講習会をやったって。「子供のためのラプソディー」も入ってた。(他の曲は全然知らないけど)そういうの行ってみたいとも思うけど、やっぱレベル高いかなとも思うし。お金すごくかかりそうだなと思うと尻込みしてしまう。  
萩原さんがいつか言ってたけど、芸事はお金掛けなきゃ上達しないって。付け届けじゃなくて、それなりの人に習おうと思えば、それなりのお金がかかるんだよね。  あー。金と力が欲しいよー。