第1章「炎」出会い

「観月会」 1995年9月12日

「観月会」
1995年9月12日

観月会(9月10日)、惨澹たるものでした。「旅路」!!!
舞台に座った途端、手に汗が噴き出て、爪が抜けそうなのです。それを気にしいしい弾いているうちに舞い上がって来てしまって、左手の入るあたりでは、もう自分が自分じゃないのです。
ふと見ると、左手が夢中で舞っているのです。とうとう最後までとどまるところを知らずって感じ。
なにが嫌って、高校生の女の子。態度も音も落ち着き払って。泣けてきますよ。あの子にも負けているんですよね。
そうだそうだ、苛めろ苛めろ、痛い目に会わせろ。伸び切っている鼻をへし折って頂戴。でなきゃ、天まで届いて身動きがとれなくなるよ。
とは思っているんだけど…泣きたいよ…

****始めなければ何も起こらなかった筈。
   だけど、始めてしまったんです。
   もうやめますか?****

1995年9月7日

1995年9月7日

昨日もそうだったんだけど、技術的なこととか、弾き方のノウハウとか、教わった通りに弾くと、嘘みたいに楽になるんですよ。
すごいですねぇ。そういう事自分で気付いていかなきゃいけないのかな。だとしたら、先行き不安。

1995年9月6日

1995年9月6日

観月会に向けて最後の音合わせです。
 前に三村氏にお稽古を付けてもらったのですが、自分のいいように弾いているとあまりにものろくなってしまうので力が入ってしまう。しかし、良い反応はありませんでした。ただ一言「速ければいい訳ではないしねぇ」……しばらく弾く気も起きなかったけど、ボチボチやっていくうちに、なにが面白くないか、徐々に分かってくる。
 解説を何度も読んだりして、自分なりの物語を追う。それを繰り返していると、強弱やテンポやもろもろが理解出来始めて、どんどん楽しくなってきました。

 ####8月26日の一等星のステージでの「流れ」は、やはり不安だったところ、トチりました。だんだん震え出して困りました。

「まりと殿様・胡茄の歌・旅路」 1995年8月25日

「まりと殿様・胡茄の歌・旅路」
1995年8月25日

「流れ」が把握出来たあたりから、「旅路」に力を入れられるようになりました。弾き込んでいってみると、だんだんあの曲に惚れ込んだ気分が戻ってきました。でも本番は、17 絃で三村氏が入ってくれるものの、筝は私一人です。
恐くて、悪い夢ばかり見ています。9月6日もう一度練習できることになりましたけど、「まりと殿様」も今回は一筝なので、やはりソロが多いんですよ。かなり無理がある気がするんだけど、ステージのチャンスが私にはとても少ないので、とにかく駆け足で食らいつかなくちゃ、です。

1995年8月4日

1995年8月4日

「流れ」落ち込みつつも取りあえず必死で。
テープのテンポまでやっと持っていったけど、汚いんですよ。音。

 ****出来ないと思った時は?=努力する事です
   結果、才能がないと思ったら?=自分を信じる事です****